口腔外科
口腔外科(こうくうげか)とは?
口の中、あご、顔面ならびにその周辺組織に現れる疾患を扱う診療科です。
この領域には歯が原因となるものから癌までさまざまな疾患が発生します。交通事故などの外傷もこれにあたります。ただ当院では、虫歯・歯周病治療以外の処置を口腔外科として扱っています。
代表的な処置が、親知らずの抜歯・歯の移植・顎関節症などです。虫歯ではないが、口の中に違和感を感じることがあれば一度ご来院ください。
親知らず


親知らずは10代後半から20代前半にかけてはえてくる奥歯です。
ただこの親知らずは正常にはえてくることが少なく上記の絵のように傾いてはえてくることが多いためケアがしにくく、歯茎が腫れたり、手前の歯を虫歯にしたりと問題を起こしやすい歯です。このようなはえ方をしている親知らずはトラブルが起きる前に抜歯することをおすすめします。
また妊娠中に痛みや腫れが起きると薬が使用できなくなるため、妊娠前に抜歯しておくと安心です。
自家歯牙移植
“自家歯牙移植”とは字のごとく、歯が抜けた場所にご自身の余っている歯(親知らずなど)を移植をする処置のことを言います。
奥歯を抜かなければならない状況の方は、親知らずや余っている歯があるかどうか検討していただき、もしかしたらその歯を移植することができるかもしれません。
① 自家歯牙移植のメリット
ブリッジや入れ歯で治す場合と比べると、残っている歯(歯が抜けた場所の両隣の歯)に負担をかけず、歯を削ることもなく歯を入れることができます。
下記の症例で説明すると、抜く歯の両隣の歯は虫歯の治療もしていないきれいな歯です。もしブリッジで歯を入れようとするとこのきれいな両隣の歯を削らなければいけません。歯は削れば削るほど予後は悪くなってしまいます。なので私たち歯科医はこのような健康できれいな歯は極力削りたくはないと考えています。
今回のこの症例では、両隣の歯を削ることもなく負担もかけずに歯を入れる事ができ、患者様にも満足していただけました。
保険適応の処置です。

右下の奥歯の根っこが割れており腫れや痛みを繰り返していたため抜歯を行い、そこに右上の親知らずを移植した症例です。

移植した直後のレントゲン写真

根っこの周りの骨が回復してきていることが分かります。歯もしっかり安定しており、問題なく噛むことができます。
② 自家歯牙移植のできない場合
血液が固まらないように抗凝固剤を内服されている方や骨粗鬆症のお薬を内服されている方は適応外です。
その他高血圧や糖尿病などの方も要注意ですので、その場合は主治医の先生と相談の上処置を判断していきます。
③ 生存率(どれくらい持つか?)
10年生存率・・・80%前後
顎関節症
『口を大きく開けた時にあごが痛い』『あごがカクカク音がする』『口が開けづらい』などといった症状は、顎関節症です。
原因としては、主に生活習慣や噛み合わせなどが考えられます。
生活習慣に原因があれば、食事時の正しい咀嚼の仕方、姿勢などで悪い癖はないかどうかなど患者様自身で気をつけてもらうように指導をします。
痛みを伴う場合は、消炎鎮痛剤を使用して痛みを止めつつ噛み合わせを調整したり、マウスピースを使用してもらいあごの負担を減らすこともしていきます。
